重い荷物を持ち上げたり移動させたりする場面で欠かせないホイスト・天井クレーンですが、使用していても時折調子が悪く感じたり、故障が疑われることがあります。今回のコラムでは、ホイスト・天井クレーンが故障する原因やその前兆について解説します。
ホイスト・天井クレーンとは
ホイスト・天井クレーンは、荷を持ち上げる「ホイスト」と、水平移動を可能にする「クレーン」を組み合わせた機械です。
ホイストは、ロープやチェーンを巻き上げる仕組みを備え、上下動を可能にし、クレーンは動力を使って重量物を持ち上げて移動させます。この組み合わせにより、ホイスト・天井クレーンは工場や建設現場で重量物の効率的な運搬に利用されます。
ホイスト・天井クレーンが故障するとどうなるか
ホイスト・天井クレーンに故障が発生すると、次のような症状が現れることがあります:
- 上下の動きが停止する
- ボタンを押しても動作せず、またはボタンを離しても停止しない
- 逆ボタンを押してもそのまま動作する
- クレーンが頻繁に止まる
- 屋外で暴走する
これらの症状は単に動かなくなるだけでなく、安全性の観点からも重大な問題を引き起こす可能性があります。そのため、日常の点検や定期的なメンテナンスを行い、必要に応じて修理を施すことが重要です。法律でも、ホイスト・天井クレーンには毎日の使用前点検や月次・年次点検が義務付けられています。
故障の前兆
ホイスト・天井クレーンが故障する前兆には、以下のような兆候が確認されます。
異音・異臭
過剰な負荷により異音が生じたり、焦げたような臭いが発生する場合があります。これは、チェーンやモーターの異常などが原因と考えられます。無線ホイスト・天井クレーンで異音が生じた場合、ケーブルの断線が原因で操作ができなくなることもあります。
吊り上げ時の不調
荷を吊り上げたり下げたりする際に動きが悪い場合、原因としてブレーキの異常やレールの摩耗、部品の損傷が考えられます。動かなくなった場合には特にブレーキ系のトラブルが疑われます。
煙の発生
モーターに過度な負荷がかかると、内部で加熱が進み、煙が発生することがあります。原因はベアリングの不良などで、スムーズな回転が妨げられ電流が急増し、煙が出る場合があります。
修理・メンテナンスで長寿命化を
ホイスト・天井クレーンは、月次と年次の自主点検が義務付けられています。使用中に異常を感じた際には、無理に稼働させると故障や事故のリスクが高まります。早めに専門家の点検やメンテナンスを依頼することで、ホイスト・天井クレーンの寿命を延ばし、コスト削減につなげることも可能です。
天井クレーン工事の点検事例
天井クレーンの点検
毎年、天井クレーンの法定点検を受けられているお客様です。天井クレーンの設置業者は、1年以内ごとに1回、および1カ月以内ごとに1回の自主検査を行うことが義務付けられています。
検査の対象となるクレーンは、下記の3つです。
・つり上げ荷重0.5トン以上の全てのクレーン
・つり上げ荷重0.5トン以上の全ての移動式クレーン
・ その他クレーン等安全規則の適用を請けるデリック、エレベーター、建設用リフト及び簡易リフト
なお、自主検査、点検の結果の記録は、3年間保存しなければいけません。
お客様から依頼を受けた、年次定期自主検査では、以下の箇所を検査しております。
・構造部分、機械部分、電気部分の異常の有無・ワイヤロープまたはつりチェーンの異常の有無
・ つり具の異常の有無
・ 基礎の異常の有無
・ 荷重試験
上記の定期自主検査を毎年実施しております。
修理・メンテナンスのご相談はパール金属へ
ホイスト・天井クレーンに関するお悩みがございましたら、名古屋工場工事・メンテナンス.comを運営するパール金属まで、ぜひお気軽にご相談ください。