
コンプレッサー、ポンプ、ファン、搬送ラインなど、あらゆる設備の動力源として稼働していますが、日々の点検やメンテナンスは見落とされがちです。
「異音がする」「熱を持っている」といった予兆を放置し、突然の絶縁破壊やロックによってライン停止に追い込まれるケースは後を絶ちません。
本コラムでは、機械工具商社の視点から、モータに不具合が生じた際の「修理(オーバーホール・巻き替え)」と「新品交換」の判断基準、そして生産設備を長く安全に使い続けるためのポイントを解説します。
モータの寿命と「修理 vs 交換」の分岐点

一般的に、産業用モータの寿命はベアリングの摩耗や絶縁劣化により、10年〜15年程度と言われています。しかし、設置環境(温度、湿度、粉塵)や負荷状況によっては、これより早くトラブルが発生することもあります。
不具合が発生した際、担当者が最も悩むのが「修理すべきか、新品に買い替えるべきか」という点です。コストと納期の観点から、以下の基準で判断することをお勧めします。
1. 新品交換を推奨するケース
- 汎用標準モータ(数kW以下の小型クラス)
近年の標準モータ(トップランナーモータなど)は量産効果により低価格化が進んでいます。小型の汎用品であれば、修理費用(分解工賃・部品代)よりも新品購入の方が安価で、かつ即納で入手できるケースが大半です。省エネ性能の向上も期待できるため、この場合は迷わず交換を選びましょう。
2. 修理(オーバーホール・巻き替え)を推奨するケース
- 大型モータ・高圧モータ
数十kWを超える大型機や高圧対応機は、新品価格が高額であり、納期も数ヶ月かかることが一般的です。修理の方がコストメリットが出やすく、短納期で復旧できる可能性が高まります。 - 特殊モータ・海外製モータ
フランジ形状や軸形状が特殊なもの、または海外メーカー製で入手ルートが限られるものは、現品修理が最速の解決策となります。 - 生産終了品(廃番品)
既にメーカー供給が終了している旧型モータの場合、後継機種への置換には取付穴の加工やベースの改造(アタッチメント製作)が必要となり、付帯工事費が嵩みます。この場合、内部のコイルを巻き替えて再生させる手法が最も合理的です。
「モータ修理・オーバーホール」の工程
「モータ修理」と一口に言っても、単にベアリングを変えるだけではありません。専門工場では、以下のような工程を経て新品同様の性能を取り戻します。
- 分解・洗浄・乾燥: 固定子(ステータ)や回転子(ローター)に付着した油分やカーボン汚れを徹底的に洗浄し、乾燥させます。これだけで絶縁抵抗値が回復することもあります。
- ベアリング交換: 異音や振動の主原因となるベアリングを新品に交換します。
- コイル巻き替え(リワインド): 焼損や絶縁劣化を起こしたコイルをすべて撤去し、新しい銅線で巻き直します。その後、ワニスを含浸・硬化させることで、絶縁性能と機械的強度を復活させます。
- シャフト補修: 摩耗した軸受部やシャフトの振れを溶射肉盛りや研磨加工で修正します。
パール金属では、メーカーを問わず、あらゆるモータのメンテナンスに対応可能です。
突発的なトラブルを防ぐために
モータトラブルの多くは、日々の点検(振動測定、電流値確認、聴音)で予兆を掴むことが可能です。しかし、専門的な診断機器がない場合や、保全人員が不足している現場では、管理が行き届かないのが実情ではないでしょうか。
「最近、モータの音が大きくなった気がする」
「触れないほど熱くなっている」
「古い設備で、予備のモータがない」
こうした懸念がある場合、完全に停止する前にプロによる診断を受けることが、結果としてダウンタイムと修繕コストの最小化に繋がります。
モータ修理ならパール金属にお任せください!
私たちは機械工具商社として、新品の手配はもちろん、協力工場とのネットワークを活かした高品質なモータ修理・オーバーホールサービスを提供しています。
「メーカーサポートが終了して断られた」「海外製でどこに頼めばいいかわからない」といった案件でも、現物をお預かりして調査・修理、あるいは同等仕様への置換提案を行います。
工場の安定稼働を守るため、モータに関するお困りごとは、ぜひ一度ご相談ください。
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