ホイストクレーンは、電気ホイストや電気チェーンブロックを利用して重い荷物を持ち上げたり移動させたりする装置で、工場や建設現場、倉庫、港湾などで幅広く活用されています。
今回は、ホイストクレーンの定期点検の重要性と主な点検項目について解説します。
なぜホイストクレーンには定期点検が必要なのか
ホイストクレーンは重量物を扱うため、部品の摩耗が進みやすく、故障やトラブルのリスクも高まります。また、故障が発生すると重大事故につながる可能性があるため、安全な稼働を確保するためには定期的な自主点検が欠かせません。
労働安全衛生法に基づく「クレーン等安全規則」でも、移動式クレーンを設置した場合は年1回の自主点検が義務付けられています。この法律は、クレーンの長期間の停止中には適用されませんが、稼働時には定期点検が必要です。
ホイストクレーンの点検項目
ホイストクレーンの点検は、月ごとに行う「月次定期自主検査」と、年に1回行う「年次定期自主検査」が求められます。ここでは、各点検で確認すべきポイントについて説明します。
月次定期自主検査(毎月1回)
毎月の点検で確認すべき項目は以下の通りです:
- 安全装置の動作確認:過巻防止装置や過負荷警報装置、ブレーキやクラッチに異常がないか
- ワイヤーロープ・チェーンの状態:損傷や摩耗がないか
- 吊り具の損傷確認:フックやバケットなどに損傷がないか
- 電気系統の異常確認:配線、集電装置、配電盤、開閉器、コントローラに異常がないか
年次定期自主検査(年1回)
年1回の検査で確認する項目には、以下の内容が含まれます:
- 構造部、機械部、電気部の全体検査
- ワイヤーロープや吊りチェーンの状態
- 吊り具や基礎部分の異常確認
- 荷重試験:規定された荷重に耐えられるかの確認
天井クレーン工事の点検事例
天井クレーンの点検
毎年、天井クレーンの法定点検を受けられているお客様です。天井クレーンの設置業者は、1年以内ごとに1回、および1カ月以内ごとに1回の自主検査を行うことが義務付けられています。
検査の対象となるクレーンは、下記の3つです。
・つり上げ荷重0.5トン以上の全てのクレーン
・つり上げ荷重0.5トン以上の全ての移動式クレーン
・ その他クレーン等安全規則の適用を請けるデリック、エレベーター、建設用リフト及び簡易リフト
なお、自主検査、点検の結果の記録は、3年間保存しなければいけません。
お客様から依頼を受けた、年次定期自主検査では、以下の箇所を検査しております。
・構造部分、機械部分、電気部分の異常の有無・ワイヤロープまたはつりチェーンの異常の有無
・ つり具の異常の有無
・ 基礎の異常の有無
・ 荷重試験
上記の定期自主検査を毎年実施しております。
まとめ
ホイストクレーンは、労働安全衛生法およびクレーン等安全規則により、設置後の定期点検が義務付けられています。
名古屋工場工事・メンテナンス.comを運営するパール金属では、ホイストクレーンの点検、保守、部品提供に加え、設置や更新、移設サービスを提供しています。ホイストクレーンに関するご相談は、ぜひ当社にお任せください。