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技術コラム

2025年2月26日工場の暑さ対策で生産性向上!効果的な対策方法とは

1. 工場の生産効率を高める室温とは

公益財団法人空気調和・衛生工学会が2004年に実施した実験によると、コールセンターの室温が25度から26度に上昇すると、1時間あたりの平均応答件数が7.75件から7.59件に減少し、作業効率が2.1%低下することが確認されました。

また、同年にコーネル大学のアラン・ヘッジ教授が行った実験では、アメリカのある保険会社の室温を20度から25度に調整したところ、社員のタイプミスが44%減少し、タイピング量が1.5倍に増加しました。

工場の作業員にとっても、適切な室温は作業効率を維持するために重要です。

さらに、厚生労働省監修の「産業医の職務Q&A」によると、日本産業衛生学会が推奨する作業環境の許容室温は以下の通りです。

  • 極軽作業:32.5度
  • 軽作業:30.5度
  • 中等重作業:27.5~29.0度
  • 重作業:26.5度

しかし、これらはあくまで許容基準であり、株式会社インテージホールディングスの調査では、内勤者が快適と感じる室温は25.3度、外勤者は24度前後とされています。

2. 工場の暑さ対策(空調の効率化)

工場では多くの機械が稼働しており、効果的な暑さ対策が求められます。しかし、冷房設備をむやみに導入すると電気代が増えるだけで、十分な効果が得られないこともあります。以下に、空調を効率的に活用するポイントを紹介します。

スポット空調の導入

スポット空調を活用すると、必要な場所だけを冷却でき、無駄なエネルギー消費を防ぐことができます。特に、作業場所が固定されている場合には、局所的な冷却が効果的です。

ビニールカーテンで空間を仕切る

スポット空調の導入が難しい場合、ビニールカーテンを設置することで特定のエリアの空調効率を高められます。小さな空間を冷やすことで、冷房効果を最大化し、電力消費を抑えることができます。

断熱フィルム・断熱塗装の活用

窓に断熱フィルムを貼ることで、日光を遮りながら自然光を確保できます。また、屋根に断熱塗装を施せば、工場内の温度上昇を抑える効果が期待できます。

吸排気フードの設置

工場内の温度上昇の要因のひとつが、機械から発生する熱です。適切な位置に吸排気フードを設置すれば、熱気や蒸気を効果的に排出し、室温の上昇を抑えられます。

自動空調システムの導入

温度調整を自動化することで、最適な室温を維持しながら電力消費を抑えることができます。既存の空調設備に後付けできるシステムを活用すると、コストを抑えつつ効果を高めることが可能です。

3. 工場の暑さ対策(便利アイテム)

工場全体の環境改善だけでなく、作業員個々の暑さ対策も重要です。以下のアイテムを活用することで、作業環境の快適性を向上させることができます。

保冷材付きベスト

ベストの内部に保冷剤を入れて使用することで、体を直接冷やすことができます。

空調服

空調服は内蔵ファンで外気を取り込み、汗の気化熱を利用して体温を下げる作業着です。充電式バッテリーを搭載したものが多く、長時間の使用が可能です。

吸湿速乾インナー

速乾性の高いインナーを着用することで、汗を素早く吸収・蒸発させ、体感温度を下げることができます。

冷却タオル・マフラー

特殊素材を使用した冷却タオルは、汗を拭くだけで清涼感を得られます。水に浸すと気化熱を発生させるタイプや、保冷剤を使用するタイプなどがあります。

4. 工場の熱中症対策

適切な暑さ対策を行っていても、作業員の体調や作業環境によっては熱中症のリスクがあります。以下の対策を実施し、熱中症を防ぎましょう。

熱中症の症状をスタッフと共有

熱中症の症状や対処法をスタッフ全員と共有することが重要です。初期症状として脱水症状や体温・脈拍の上昇が挙げられ、適切な水分・塩分補給が必要になります。

水分・塩分の自由補給

工場内に水分補給ができる環境を整えましょう。暑熱作業時には20分ごとにコップ1~2杯のスポーツドリンクを摂取するのが理想とされています。

休憩スペースの設置

スタッフがいつでも利用できる休憩室を設置し、適切な温度管理(24~26度)を行いましょう。また、冷えたおしぼりや体温計を常備すると、迅速な体調管理が可能になります。

5. まとめ

工場の生産効率を高めるためには、適切な室温を維持し、作業員の快適性を確保することが重要です。空調設備の最適化に加え、空調服や冷却タオルなどの便利アイテムも積極的に活用しましょう。

また、熱中症予防として、スタッフ全員で知識を共有し、適切な水分補給や休憩を取れる環境を整えることが不可欠です。