
「排水処理槽のポンプが動かない」「過負荷リレー(サーマル)が頻繁にトリップする」
工場の保全担当者様や施設管理の方々にとって、水中ポンプのトラブルは生産ラインの停止や、汚水溢れなどの環境事故に直結する緊急度の高い課題です。
ブレーカーを戻せば一時的に復旧することもありますが、根本原因を解決せずに再稼働させることは、モーターの焼損や設備全体の重大な故障につながるリスクがあります。
本コラムでは、製造業の機械工具商社として現場のトラブルシューティングに長年携わってきた視点から、水中ポンプが過負荷になる主な原因と、現場でできる初期対応、そしてプロに依頼すべき判断基準について解説します。
水中ポンプにおける「過負荷」の正体
過負荷(オーバーロード)とは、ポンプのモーターに対して定格電流以上の電流が流れ続けている状態を指します。この状態が続くとモーターコイルが発熱し、焼損してしまいます。それを防ぐためにサーマルリレーやブレーカーが作動し、強制的に電源を遮断します。
つまり、「過負荷で止まった」ということは、「ポンプが悲鳴を上げている(無理な力がかかっている)」サインです。
過負荷を引き起こす4つの主要因
現場でよく遭遇する過負荷の原因は、大きく分けて「機械的要因」と「電気的要因」の2つに分類されます。
① 異物の噛み込み・拘束(ロック)
最も多い原因の一つです。切削切り粉、スラッジ、ウエス、木片などがインペラ(羽根車)に挟まり、回転が物理的に止められる、あるいは回転に大きな抵抗がかかることで電流値が急上昇します。
② ポンプの経年劣化(ベアリング・絶縁不良)
長期間使用によるベアリングの摩耗や固着により、回転抵抗が増大します。また、メカニカルシールの劣化によりモーター内部に浸水し、絶縁不良(漏電の前兆)を起こして過電流が発生するケースもあります。
③ 電源・電圧の異常(欠相・電圧降下)
三相電源のうち1本が断線する「欠相」状態で運転すると、健全な相に過大な電流が流れ、短時間で焼損に至ります。また、タコ足配線や細すぎる延長コードの使用による「電圧降下」も、電流値を上げる原因となります。
④ 能力選定ミス(過剰揚水・粘度変化)
意外に見落とされがちなのが、「性能曲線(特性カーブ)から外れた運転」です。
例えば、揚程(高さ)が低すぎる場所で大容量ポンプを使うと、抵抗がなさすぎて過流量(オーバーフロー)となり、過負荷になることがあります。また、流体の粘度が想定より高い場合もモーターに負荷がかかります。
現場担当者が実施すべき初期診断ステップ
過負荷で停止した場合、安易な復旧は避け、以下の手順で確認を行ってください。
- 絶縁抵抗の測定(メガー測定)
絶縁抵抗値が基準値(一般的に1MΩ以上推奨)を下回っていないか確認します。0MΩに近い場合はモーター内部への浸水や焼損の可能性が高く、即時の交換・修理が必要です。 - 電流値の測定(クランプメーター)
強制的に一瞬だけ運転し、三相の電流値を測定します。定格電流を大幅に超えているか、各相のバランスが崩れていないかを確認します。 - 手回し確認(可能な場合)
電源を完全に遮断し、ポンプを引き上げてインペラを手で回してみます。全く動かない、あるいは異音がする場合は、異物の噛み込みかベアリング破損が疑われます。
修理か、更新か?判断の分かれ目とプロの視点
異物除去で直る軽微なケースもありますが、絶縁不良やベアリング摩耗が見られる場合は、オーバーホール(分解修理)または新品への更新が必要です。
専門商社だからできる「最適解」の提案
「また同じポンプに買い替えればいい」とは限りません。頻繁に詰まるなら「カッター付きポンプ」への変更、腐食が原因なら「耐食仕様」への変更など、現場の環境に合わせた機種選定が必要です。
当社では、単なる機器販売だけでなく、現場の状況確認から設置工事、電気配線の見直しまでワンストップで対応しています。
実際のトラブル解決事例
電極交換事例
ポンプ交換工事
ポンプの選定見直しや、付帯設備の改善によってトラブル頻度を下げた事例も多数ございます。
水中ポンプのトラブル・交換・選定のならパール金属におまかせください
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