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技術コラム

2022年12月8日クーリングタワーの散水パイプが回らない?対処方法を紹介します!│名古屋工場工事・メンテナンス.com(愛知県)

水を冷やすためのクーリングタワーですが、その工程の中で重要なのが散水ですよね。
本稿をご覧の皆さんは散水パイプが回らないといったクーリングタワーに関するトラブルでお悩みかと思います。
そこで今回は、クーリングタワーによくあるトラブルの対処方法について紹介します。

□散水装置や散水ポンプの仕組みや構造について

ここではクーリングタワーの散水装置や散水ポンプの仕組みや構造について紹介します。
クーリングタワーを稼働させるためには、必ず散水を行う必要があります。

そもそもクーリングタワーには開放式と密閉式の2種類が存在するのですが、どちらにも散水が必要です。
前者は水を気化熱によって冷却水を冷やし、後者は散水ポンプと散布水を利用して水を冷やします。まずは散水装置と散水ポンプの仕組みから確認していきたいと思います。

散水装置の仕組み

まずは、冷凍機から冷却水が送られてきます。
そして、クーリングタワー上部の上部水槽から充填材に向かって散水されます。

この際に撒かれた水はクーリングタワーの上部から取り込まれることによって外気と接触をします。
水ができる限り長い時間外気に触れられるように、接触面積をできる限り大きくしたりするために充填材があります。散水装置はなぜこのような仕組みなのかと気になる方もいらっしゃるでしょう。

これは、外気から吸い込んだ空気は冷却水の蒸発を促す役割があるためです。
冷却水の温度を下げるためには、この蒸発による気化熱を利用しているのです。
気化熱によって温度が下がったら冷凍機へ戻っていくということです。ちなみに、冷却水が冷えるということはその分のエネルギーは別の場所へと移動しているはずですよね。
この熱は外気へと伝えられているのです。
つまり、熱だけが大気中へと放出されています。

 

散水ポンプの仕組み

こちらはクーリングタワー下部より散水ポンプによって散布水を汲み上げます。
そして、そのまま散水装置へと移動させ、銅コイルを含む熱交換器に散水されます。
外気に関してはクーリングタワーの下部からの散布水を蒸発させ、大気中へと放出します。
気化熱を利用しながら散布水の温度を下げます。
散水装置は冷却水を散水しますが、散水ポンプは下部水槽に溜まった水を散布水として利用するという違いがあります。次は、それぞれの構造についても詳しく見ていきましょう。

 

散水装置の構造

開放式のクーリングタワーのパーツを上から順番に紹介すると、以下のようになります。
送風機→上部水槽→充填材→下部水槽密閉式のクーリングタワーのパーツを上から順番に紹介すると、以下のようになります。
送風機→散水装置→充填材(銅コイル)→下部水槽それぞれの構造に大きな違いはないことがわかりますね。・散水ポンプの構造
密閉式の散水ポンプに関しては、基本的に下部水槽の隣に設置されていることが多いです。

 

□クーリングタワーのよくあるトラブル

ここからはクーリングタワーのよくあるトラブルとその対処方法について紹介します。

トラブル1:散水パイプが回らない

原因として考えられるのは、循環水量が不足していたり、スプリンクラーヘッドが壊れていたりすることでしょう。
具体的な対処方法としては、定格水量に調整したり、スプリンクラーヘッドの点検や交換をしたりすることがおすすめです。

 

トラブル2:循環ポンプの異常

開放型によくあるトラブルですね。
外部から砂やホコリなどが冷却水に混入したり、冷却水の汚れによって配管やタワーにスケールが堆積したりすることがあります。
この状況を放置していると、ポンプが詰まったり、摩耗したりといった損傷が発生する可能性があります。具体的な対処方法としては、塔本体や配管、充填材の洗浄が必要です。
砂塵の多い地域や沿岸部などでは半年に1回を目安として洗浄することをおすすめします。

 

トラブル3:ファンの異常

ファンから振動や異音が発生していたり、起動しなかったりという場合には以下のような原因が考えられます。

・インペラーに結晶物やゴミが付着している
・ベアリングの摩耗

対処方法としては、電動機の定期点検やVベルトやベアリングの定期交換です。
予防保全を心がけることが非常に大切です。

 

トラブル4:循環水量の減少やオーバーフロー、水質悪化

クーリングタワー内部でゴミや藻が堆積していることが原因でしょう。
定期清掃をしていないことにより菌が繁殖することもありますね。
循環水量の調整や定期交換が効果的です。

□メンテナンス方法について紹介

ここからは基本のメンテナンス方法について簡単に紹介していきます。

・水質管理
・機器の清掃管理
・部品の保守どの項目においても細菌類の繁殖防止や熱交換器の効率ダウン防止や部品の長期利用に効果的です。

全ての項目が重要なので、バランスよくメンテナンスをすることを心がけましょう。頻度に関してはクーリングタワーの上部水槽や下部水槽や1ヶ月に1回のメンテナンスを意識してください。
充填材の清掃に関しては3ヶ月に1回を目安にしましょう。
また、これらのタイミング以外にもシーズンの前後や専門業者の点検なども踏まえつつ年間計画を立てることが大切ですよ。

□まとめ

今回は、クーリングタワーによくあるトラブルの対処方法について紹介しました。
クーリングタワーの仕組みや構造、トラブルとその対処方法についておわかりいただけたでしょうか。
そのほかわからないことがあればお気軽に当社までお問い合わせくださいね。