工場の機械や設備というのは適切な維持管理をしなければ、不具合が発生したり故障してしまったりする可能性が高くなりますよね。
場合によっては生産ラインが止まってしまって大きな損害になることもあるでしょう。
こうした被害を防ぐためには、設備保全が欠かせません。
そこで今回は、工場で働く方に向けて設備保全の考え方について紹介します。
□設備保全の考え方と重要性
まずは設備保全を進めるためには、設備保全の考え方について理解する必要があります。
ここでは、設備保全の考え方と重要性を紹介したいと思います。設備保全を適切に実施することは、機械や設備の故障を未然に防ぐことにつながります。
安定的に工場を稼働させたり、製品の品質を安定させたりと設備保全は重要な役割を果たします。
製造業における経営課題の解決にも直結すると言えるでしょう。・経営課題の解決
製造業における経営課題といえば、生産コストと労働安全が挙げられるでしょう。
工場の機械や設備が故障すると、生産コストが増加したり、従業員の労働災害が発生したりすることは容易に想像がつきますね。
生産コストの増加や労働災害の発生はどの工場においても防ぎたいところです。
予防保全や事後保全によって適切に対処することで、こうした経営課題を解決できます。・安定稼働と安定品質の確保
先ほどと同様に故障が発生することで、生産ラインに乱れが生じたり、製品の品質が低下したりすることもあるでしょう。
故障の状態によっては、生産ラインを停止しなければならないということもあるでしょう。
1度生産ラインが停止すると、不具合が発生した製品を再度生産したり、原材料費や光熱費、人件費などのコストが余分にかかったりします。・事故を未然に防ぐ
機械や設備の老朽化によって製品に問題が発生するだけであれば、それほど深刻ではないかもしれません。
もしこれらが原因で労働災害が発生したとなれば、大きな問題ですよね。
特に命に関わる問題であれば、事態は深刻でしょう。
こうした事態を未然に防ぐ方法として、予防保全が存在します。
予防保全に努めながら適切なタイミングで機械や設備を更新することをおすすめします。
□設備保全の種類と特徴について
ここからは設備保全の方式について紹介していきたいと思います。
設備保全には、「予防保全」「事後保全」「改良保全」の3つがあります。
それぞれの特徴も踏まえながら紹介していきます。まずは事後保全について紹介します。
こちらは、機械や設備に不具合や異常、故障が発生した場合に行う保全対策のことを指します。
事後保全には、緊急保全と計画事後保全の2種類があります。
前者は、突然発生した故障や機械の停止に対して、保全作業を行います。
後者は、不具合や異常、故障が発生することを想定してあらかじめ機械と設備を用意します。
そして、緊急時に切り替えることで、生産ラインが停止しないようにすることです。事後保全というのは、故障が発生しなければ毎日のメンテナンスや保全作業が発生しないというメリットがあります。
デメリットとしては、予備を準備する必要があることや原因の調査に時間がかかることです。次は、予防保全について紹介します。
予防保全とは、機械や設備の不具合や異常、故障などの可能性がある場合に、それらを予防するために行う保全対策です。
機械や設備が停止することを回避するために、定期的なメンテナンスを行います。具体例として挙げるならば、耐用年数や耐用時間を設定しておき、メンテナンスや部品の交換をしながら故障を防ぐという方法です。
故障から復旧までの時間が短くなるという特徴があります。
また、機械や設備の寿命を伸ばすことにもつながり、ライフサイクルコストを抑えられます。最後に、改良保全について紹介します。
こちらは機械や設備が故障したタイミングで、今後同じトラブルが発生しないようにする方法です。
機械や設備そのものを改善します。機械や設備の寿命を延ばすための改善と、修理や点検などを省略してメンテナンスを行えるようにする改善の2種類があります。
故障の状態や状況を分析しながら、今後の手間を抑えるのが目的です。
そのため、改善に費用がかかりますが、その後に発生する故障によるコストを考えると採用されることの多い方式といえます。
□設備保全の目的
最後に設備保全の目的についてまとめておきたいと思います。・故障を最小限に
工場の生産ラインというのは停止するだけで大きな損害になりますよね。
故障を0にするのは非常に難しいですが、最小限に抑えることが大切です。・停止時間の減少
こちらも上記と似た部分がありますね。
停止時間が長ければ長くなるほど、損害が大きくなります。
そのため、停止時間を短くすることも設備保全の目的になります。
□まとめ
今回は、工場で働く方に向けて設備保全について紹介しました。
設備保全が機械や設備においてどれだけ大切であるかは理解していただけたかと思います。
工場や倉庫で働いている方は、設備保全を徹底して経営課題を解決していきましょう。